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バスクとは
歴史的な領域としてのバスク地方は、バスク人とバスク語の歴史的な故国を指す概念である。ピレネー山脈の西麓にあってビスケー湾に面し、フランスとスペインの両国にまたがっている。
歴史的なバスク地方は、南バスクまたはスペイン・バスクと呼ばれるスペイン領土の4地域、北バスクまたはフランス領バスクと呼ばれるフランス領土の3地域の計7領域からなる。バスク・ナショナリズム運動の中で「サスピアク・バット」(7つは1つ)というスローガンが掲げられ、7領域からなるバスク地方の地理的範囲が示された。バスク地方全体の旗としてイクリニャ(バスク国旗)が、バスク地方のシンボルとしてラウブル(バスク十字)がある。バスク地方全体の面積は20,947 km2であり、2005年から2011年の調査に基づいた人口は約308万人、人口密度は約149人/km2であり、スペイン全体やフランス全体の人口密度と同程度である。バスク州に約210万人(約70%)、ナバーラ州に約60万人(約20%)、フランス領バスクに約30万人(約10%)が住む。
特集項目 - 歴史[編集]
サンティマミニェ洞窟は、ビスカヤ県・ゲルニカ近郊にある洞窟。バスク自治州でもっとも重要な遺跡のひとつである。ネアンデルタール人やホモ・サピエンスが居住し、中期旧石器時代から鉄器時代までの遺構が発見されている。特にマドレーヌ文化期の洞窟壁画で知られており、描かれた大型動物の一部は彩色されている。1916年に洞窟壁画が発見されると、1917年に発掘が開始され、1984年には国定文化遺産に、2008年には「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」の一部としてUNESCOの世界文化遺産に登録された。……
特集項目 - 地理[編集]
ビトリアまたはガステイスは、アラバ県の県都。2言語の名称をつなげたビトリア=ガステイスが正式名称である。バスク自治州は公式な州都を定めていないが、州議会や州政府が置かれるビトリア=ガステイスは事実上の州都である。2012年の人口は242,223人であり、バスク自治州内ではビスカヤ県・ビルバオに次いで人口が多い。公共空間における高い緑地比率、生物多様性や生態系への貢献、自治体の緑化政策などが評価され、2012年には欧州環境首都に選ばれた。ビトリア=ガステイスでは全市民が公園や緑地などの緑化地帯から300m以内に住んでおり、自転車道は総延長90kmに達している。……
特集項目 - 文化[編集]
サン・フェルミン祭は、スペイン・ナバーラ州の州都パンプローナで7月に開催される祭礼。バレンシアの火祭り、セビリアの春祭りと並び、「スペイン3大祭り」のひとつに数えられる。アーネスト・ヘミングウェイの小説『日はまた昇る』(1926年)で英語圏の人々に知られるようになり、世界的にもっとも有名なスペインの祭礼のひとつである。毎年約100万人の観光客を集める。エンシエロ(牛追い)が有名で、「牛追い祭り」の別名で知られる。パンプローナの守護聖人である聖フェルミンを称える宗教儀式が起源である。毎年、聖フェルミンの記念日である7月7日をメインの日とし、7月6日の正午から7月14日の24時までの9日間開催される。……
特集項目 - 人物伝[編集]
ベルナト・エチェパレ(15世紀後半–16世紀)は、ナバーラ王国領サン=ジャン=ピエ=ド=ポル近郊出身の司祭・詩人。1545年、バスク語で書かれた書籍(『バスク初文集』)を初めて出版した人物であり、バスク語の幅広い認知を目指した。詩の中に散見される低俗的な愛の表現などが理由で、エチェパレの名は長らく低く評価されていたが、20世紀後半にバスク社会で再評価が進んだ。エチェパレに捧げられた曲などが登場し、『バスク初文集』は英語や日本語を含めて10言語以上に翻訳されている。エチェパレの名はバスク地方の通り、学校、団体などに冠されており、2007年にはバスク語とバスク文化の対外普及を目的とするエチェパレ・インスティテュートが発足した。
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提案・依頼・選考[編集]
2015年
2016年
2017年
参考文献[編集]
- 研究書など
- 下宮忠雄『バスク語入門 –知られざるバスクの全貌』パチ・アルトゥナ 監修, 大修館書店, 1979年
- バスク語の文法や特性の解説に加え、バスク文学と民間伝承の記述が充実。下宮忠雄は学習院大学名誉教授、言語学者。
- 渡部哲郎『バスク もう一つのスペイン』彩流社, 1987年(改訂増補版1990年)
- 渡部哲郎は横浜商科大学商学部教授、バスクの政治に関する論考多数。
- ジャック・アリエール『バスク人』萩尾生 訳, (文庫クセジュ), 白水社, 1992年
- 大泉光一『バスク民族の抵抗』(新潮選書), 新潮社, 1993年
- レイチェル・バード『ナバラ王国の歴史 山の民バスク民族の国』狩野美智子 訳, 彩流社, 1995年
- ナバラ王国を中心に据えた、ナバラ地方の古代から現代までの歴史。狩野美智子はスペイン研究者。
- 渡部哲郎『バスクとバスク人』(平凡社新書), 平凡社, 2004年
- 大泉陽一『未知の国スペイン バスク・カタルーニャ・ガリシアの歴史と文化』原書房, 2007年
- 吉田浩美『バスク語のしくみ』白水社, 2009年
- バスク語とはどのような言語であるかをわかりやすく説明した入門書。著者はバスク語専攻の言語学者。
- 萩尾生・吉田浩美『現代バスクを知るための50章』(エリア・スタディーズ), 明石書店, 2012年
- ベルナト・エチェパレ『バスク初文集』萩尾生・吉田浩美訳, 平凡社, 2014年
- バスク語3冊目の邦訳本。前半部分は1545年刊行の初文集の翻訳、後半部分はエチェパレについての解説。
- 小説
- ベルナルド・アチャーガ『オババコアック』西村英一郎 訳, 中央公論新社, 2004年
- バスク語から初の邦訳本らしい、バスク人作家の小説。ただし翻訳元はアチャーガの自己翻訳によるスペイン語版。訳者はラ米文学の専門家。
- キルメン・ウリベ『ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ』金子奈美, 白水社, 2012年
- バスク語からの直接訳に限定すればバスク語初の邦訳本らしい、バスク人作家の小説。訳者は東京外国語大学の院生。
- キルメン・ウリベ『ムシェ 小さな英雄の物語』金子奈美, 白水社, 2015年
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